TOMASを開発した経緯

実は元々、運送業向けに開発したものではありませんでした。

現在、TOMASは運送業向けの自動配車ソリューションとしてご提案をさせて頂いておりますが、実は当ソリューションは元々、運送業向けに開発したものではありませんでした。

今から約10年前に弊社の関係会社であるベルモントコミュニケーションズ株式会社の当時の社長よりサービススタッフの管理が非常に非効率なので、何か良いアイデアが無いかとの相談を受けた事が始まりです。

ベルモントコミュニケーションズ株式会社は親会社の販売先である全国の理美容室、デンタルクリニックに対して、約130名のサービススタッフにより日々、修理・定期点検・メンテナンスなどのサービスを提供されている会社です。

当時は案件依頼はすべて紙ベース。緊急の修理案件の指示をしようにも誰が今どこで何をしているかも分からず、サービスマン一人ひとりの携帯電話に連絡をしながら作業依頼をする必要がありました。

しかもサービススタッフは今日自分が担当する案件は、積み上がっている修理案件や保守案件の依頼書の中から自分自身で自由に選択すると言う運用としていた為、業務が効率的に運営されるか否かはすべて各サービススタッフに委ねられていると言う状況でした。

そこで弊社は当時、販売が開始されたばかりのandroidのスマホ端末を用いてサービススタッフを管理するシステムを提案致しました。
すべての修理依頼はコールセンターで集中管理し、受付けた修理案件や保守案件はコントロールセンターの専門スタッフが全国のサービススタッフに対し、案件の割振り、スケジューリングを行うこととし、各サービススタッフはスマホから自身のスケジュールが確認出来る仕組みを構築しました。

業務のデジタル化、案件の集中管理、GPSによるスタッフの所在確認などの実現によりシステムの導入後4ヶ月で、当社の業務効率は一気に6%改善しました。
その後もスマホからの部品発注や見積り機能などの機能強化を行うことで、業務改善効果は更に上がるものと期待していたのですが、実はその後、業務効率は期待通りには改善しませんでした。

実は、コントロールセンターの専門スタッフ3名が全130名のスタッフのスケジュールを一気に引き受けていたのですが、日々700件の修理・保守案件を3名だけで効率的にスケジューリングを行うことは極めて困難であり、実態としては各スタッフへの作業の割振りまでしか出来ていませんでした。各スタッフに割り振られた複数日分の作業の日々のスケジュールは各スタッフに委ねられており、結果として、十分な効率化が実現出来ていませんでした。

弊社はこの課題に取り組む中で、「手動でのスケジューリング」ではマンパワーの問題に止まらず、最大効率化に向けての限界があると理解し、約5年前より、自動スケジューリングに向けて研究を開始しました。
当時は、深層学習によるAIに注目が集まり、AIによる自動スケジューリングも検討しましたが、AIでは様々な業務要件、ルールに従って決定される業務スケジュールには適用が極めて困難である事が判明した為、数理計画法を用いた自動スケジューリングに向けて研究・開発を進め、結果として当社の過去の実績との比較テストでは27%の改善が見られました。

弊社のソリューションの強みは、自動配車、自動スケジュールと言うシーズありきの提案では無く、如何にお客様の業務効率を上げるか、より良いスケジューリングを行うかと言う課題解決からスタートしている点にあります。

既に当アフターサービス業をはじめとし、運送業、フードデリバリー業にもソリューションを展開しておりますが、すべての業種特有の業務要件、業務ルールに即した最適なスケジュールを提供出来るソリューションとなっております。

是非、御社の課題も弊社のソリューションで解決させて頂ければ幸いです!